どうしたらいいだろう
米国公使館に電話をかけてやろうか。どうしようか。……それともこれは見世物じゃないか知らん。それとも何かの広告かしら……なぞと色々心配しているうちにとうとうほんとうに眠ってしまったらしい……。
……それはおよそ二時間足らずの睡眠であったらしい。けれども疲れた頭と身体を休めて、新しい元気を回復するには十分であった。そのうちにふっと気が付いてみると眼の前に十二三の見習いらしいボーイが立っている。そうして肩を怒らしながら紫色のハンカチで包んだ四角いハガキ大のものを私の鼻の先に突き付けている。
……それはおよそ二時間足らずの睡眠であったらしい。けれども疲れた頭と身体を休めて、新しい元気を回復するには十分であった。そのうちにふっと気が付いてみると眼の前に十二三の見習いらしいボーイが立っている。そうして肩を怒らしながら紫色のハンカチで包んだ四角いハガキ大のものを私の鼻の先に突き付けている。
私は無言のまま何気なくその包みを受取った。結び目を解いて中味を検めて見ると、何でもない古新聞紙で、ただ紫のハンカチを包みらしく見せかけるために包んだもののように見えた。
私はそう気付くと同時にハッとした。そうして眼の前に空しく並んだ四つの皿をジイーと睨み付けた。
その時にボーイは横柄な態度で云った。
「さっき表を通った方が、貴方に渡してくれと云ったんです。……ですけど、ちょうどお寝みでしたから待っていたんです」
その言葉が終るか終らないかに私は椅子を蹴って立ち上った。ボーイはその剣幕に驚いて一寸後退りをしたが、魘えた眼付きをして私を見上げた。
「それはいつ頃だ」
「一時間……二時間ぐらい前です」
「どんな人間だ……」
「……よく……わかりません。俥の幌の中から差し出したんですから……けれども何でも若い女の方のようでした」
「何と云った」
「エ……?」
「そいつが何と云った」
「二階の窓のすぐ側の西側の隅っ子の卓子に灰色の外套を着て、腰をかけて居眠りをしている紳士の方に差上げてくれと……」
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私はそう気付くと同時にハッとした。そうして眼の前に空しく並んだ四つの皿をジイーと睨み付けた。
その時にボーイは横柄な態度で云った。
「さっき表を通った方が、貴方に渡してくれと云ったんです。……ですけど、ちょうどお寝みでしたから待っていたんです」
その言葉が終るか終らないかに私は椅子を蹴って立ち上った。ボーイはその剣幕に驚いて一寸後退りをしたが、魘えた眼付きをして私を見上げた。
「それはいつ頃だ」
「一時間……二時間ぐらい前です」
「どんな人間だ……」
「……よく……わかりません。俥の幌の中から差し出したんですから……けれども何でも若い女の方のようでした」
「何と云った」
「エ……?」
「そいつが何と云った」
「二階の窓のすぐ側の西側の隅っ子の卓子に灰色の外套を着て、腰をかけて居眠りをしている紳士の方に差上げてくれと……」
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